昼と夜とでふたつの顔を持つパリ猫
ディノの可愛いだけの顔
カフェ・オレを飲みながらの一見楽しげな、パリ警視ジャンヌ
の家族の団らん。
娘のゾエと家政婦のクロディーヌ。しかしここにゾエの父、ジャンヌの夫はいない。
ジャンヌと同じ警視であり、仕事中に、ギャングのヴィクトル・コスタに殺されてしまったから。
父を殺されたトラウマから、ゾエは失語症になってしまった。
そんなゾエを癒してくれるのが、この家のオス猫、ディノ。
パリジャン・キャットの風貌は、あくまでコワモテ!
夜にディノ
は、朝帰りには、
ゾエ
にプレゼント!
いつもはヤモリなのに、ある朝はダイヤ入りの魚のデザインのブレスレットを持ってご帰還。
そこからゾエは事件に巻き込まれることに…。
一方で、ゾエの父を殺したパリで幅を利かせるギャングのボス、凶悪犯のコスタは、
美術品の「ナイロビの巨像」にあこがれる古き良き時代の“親分肌”のギャング。
ダンディズムを際立たせたいといつも奮闘。
部下はどれも使い物にならない“おバカ集団”で、一人で孤軍奮闘。ジャン・ギャバンや、
ジェームズ・キャグニー(『白熱』/ラオール・ウォルシュ監督)、ジョー・ペシ(『グッド・フェローズ』/
マーチン・スコセッシ監督作品)からの影響を受けて生み出されたキャラクター。
コスタが夫の敵であり、「ナイロビの巨像」の監視もあって、コスタから目が離せないジャンヌ。
多発しているカリスマ怪盗も捕まえようと躍起になっている。
そのカリスマ怪盗ニコは、まるで猫のように体が柔らかく、夜のパリの屋根から屋根へと渡り歩き、神出鬼没。
屋上から眺めるパリの街は圧巻。そして、カリスマ怪盗ニコの傍らにはディノが寄り添う。
「自分の好きなようにパリの街を作れるのもアニメーションの楽しさだ」と言うのは、2人組みの監督、
ジャン=ルーと、アラン。